今月のえんちょうのことば

えんちょうが毎月あたまをひねって絞り出したことばです。
お坊さんモードでお話いたします。

無条件で愛されているのは親の方

園長はよく「無条件で愛することがこどもの成長の基盤」というはなしをします。ところがそれは簡単ではない。どれだけ大事だと考えている我が子でも、自分の考えとちがうことをされると敵にしてしまいます。

「無条件で愛されているのは、子供ではなく親の方」という言葉は、インターネットで、お寺の法語看板をいろいろみていて出会った言葉です。びっくりしました。まさにそのとおりでした。誰の言葉かと調べましたがわかりませんでした。でも、検索結果にはたくさんのブログが出てきました。大勢のひとの共感を得る言葉ということです。
人間は、成長するにつれて、いろいろと知ったつもりになって、身の周りのものに条件をつけます。綺麗とか汚いとか、損だとか得だとか、立派だとか見窄らしいとか、心地よいとか不快だとか。そうして生活する世界は狭くて暗くて硬直したものになります。そんなことが人間の性分ですから、出会うもの、出会うひと、自分自身も含めて、いろいろ条件をつけて値踏みします。だから、我が子といえども、無条件というのは難しい。園長自身は「親の愛」じゃなくて「親の執着」と考えるようにしていますが、それでも何かあるとまるで愛しているかのように偉そうな態度をとります。そんな難しい「無条件」ということが、こどもの側からは成り立っていたのだと思うと感動します。

大人の「無条件」は難しい。その都度くりかえし自分の心を深くみつめていなければできない。そんな元気が必要なとき、こどもからは無条件なんだと思うと、日々たいへんな仕事、家事、育児に元気をもらえるのではないでしょうか。

えんちょう先生