今月のえんちょうのことば

えんちょうが毎月あたまをひねって絞り出したことばです。
お坊さんモードでお話いたします。

教育のちゅうしん。

 新型コロナウィルスが流行したので3月から幼稚園の行事を中止したり、縮小したりしました。毎年1学期にしていた行事はほとんど2学期に移しました。そうして何ヶ月もしてコロナウィルスはふたたび感染拡大にあります。このごろ「コロナはただの風邪だ」というひとがでてきました。「コロナで自粛しすぎだ」というひともいます。園長の個人的なみかたは、1、コロナは新型なので誰も免疫をもっていない、誰でもかかる可能性がある。2、重症化して命を落とすのは一部かも知れないが、後遺症ということも確認されている。3、若者、こどもにも感染者が増え、全世代の安全にかかわる。ということで、コロナ感染予防策は大切だと考えています。そして、そんななかでもこどもたちの成長は進みます。いろんな幼稚園教育が、これまでの形式で出来ないいま、どのように行われるべきなのでしょうか。
 こどもたちの成長になにを望むのか、哲学者で教育論の著作も多い内田樹さんは、「なんでも食べられること、どこでも寝れること、誰とでも友達になれること」とあげておられます。内田樹さんは、シングルファーザーとして子育て期に阪神大震災に遭い、日常が全く壊れたなかでの生活を経験しておられます。そんな非常時を経た成長の願いから今回のコロナ流行期の子育てが得るものは大きいでしょう。 
 幼稚園の教育のいちばんは、こどもたちのヤル気を支え育むこと。難しい言葉では自己承認欲求といいますが、頑張ったら褒めてもらえる、みんな喜んでくれることを燃料にしてこどもたちの発達を促すことです。このことの根底には「たとえ何もできなくても、あなたがいてくれてうれしい」という無条件の存在受容が不可欠です。できない子を無視するというのは、こどものヤル気において大きなマイナスになります。存在を否定されるほど、こどものヤル気をダメにすることはありませんから、これだけは要注意です。とにかくも、できるできない以上にヤル気を持って臨むことを褒めてあげる。安心して食べて寝て冒険できる場所を用意する。ここのところだけはコロナ流行期だからといって自粛するわけにいかない教育のちゅうしんです。あとのことは、状況をみて慎重に、可能な限り、こどもたちの活動をご家族にもみてもらえるよう、秋以降の運営で注意致しますから、幼稚園の活動を応援してください。お願いします。

えんちょう先生